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Deep Dive

A2A vs MCP
AIエージェントプロトコル徹底比較

2026年4月2日読了時間 8分

AIエージェントの世界では、複数のプロトコルが登場し、エコシステムが急速に形成されつつあります。 その中でも特に注目されているのが、Googleが提唱するA2A(Agent-to-Agent)と、 Anthropicが提唱するMCP(Model Context Protocol)の2つです。

両者は一見すると競合しているように見えますが、実は異なる課題を解決するために設計されたプロトコルです。 本記事では8つの観点から詳しく比較し、それぞれの役割と使い分けを明確にします。

A2A(Agent-to-Agent)プロトコルとは

A2Aは2025年にGoogleが発表したオープンプロトコルで、AIエージェント同士が互いの能力を発見し、 タスクを委譲・連携するための標準規格です。

中核となるのがAgent Cardという仕組みです。 各エージェントが自身の名前、能力、接続先、スキルをJSON形式で宣言し、/.well-known/agent-card.jsonに公開します。これにより、他のエージェントが自動的に発見・連携できます。

A2Aの通信はタスクライフサイクル(送信→処理中→完了)に基づいており、 JSONRPC、gRPC、HTTP+JSONの3つの通信方式をサポートしています。

MCP(Model Context Protocol)とは

MCPは2024年にAnthropicが発表したプロトコルで、LLM(大規模言語モデル)と外部ツール・データソースの接続を標準化します。

MCPでは「サーバー」がツールやデータを提供し、「クライアント」(LLMアプリケーション)がそれらを利用します。 ファイルシステムの読み書き、データベースクエリ、API呼び出しなど、LLMが外部世界とやりとりするための 統一的なインターフェースを提供します。

通信方式はstdio(ローカルプロセス間)とHTTP+SSE(リモート)の2種類をサポートし、 比較的シンプルなリクエスト/レスポンスモデルで動作します。

8つの観点で徹底比較

項目A2AMCP
開発元GoogleAnthropic
目的エージェント間の対話・連携モデルとツール/データの接続
通信方式JSONRPC / gRPC / HTTP+JSONstdio / HTTP+SSE
発見メカニズムAgent Card (.well-known)MCP Server Registry
タスク管理Task lifecycle(送信→処理中→完了)リクエスト/レスポンス
ストリーミングSSE / WebSocketSSE
認証OAuth2, APIキー等ホスト側で管理
ユースケースマルチエージェント連携LLMのツール拡張
関係性競合ではなく補完関係

なぜ「補完関係」なのか

A2AとMCPは、AIエージェントアーキテクチャの異なるレイヤーを担当しています。

A2A = 外交

エージェント同士が「名刺交換」し、タスクを委譲する。 外向きのコミュニケーション層。

MCP = 内臓

エージェントが内部で使うツールやデータに接続する。 内向きの能力拡張層。

例えば、旅行予約エージェントを考えてみましょう。 このエージェントはMCPを使って航空会社APIやホテルデータベースに接続し、A2Aを使って他のエージェント(決済エージェント、通知エージェント等)と連携します。

共存のイメージ

1つのエージェントがA2AとMCPの両方を実装することは一般的です。 MCPでツールに接続し、A2Aで他のエージェントと協調する — これが次世代エージェントの標準的なアーキテクチャになりつつあります。

どちらを先に学ぶべきか

ユースケースによって判断しましょう。

「LLMに外部ツールを使わせたい」→ MCPを先に

ファイル操作、DB接続、API呼び出しなど、単一エージェントの能力を拡張したい場合。 Claude DesktopやCursorで既にMCPサーバーが多数利用可能です。

「複数のエージェントを連携させたい」→ A2Aを先に

予約エージェント→決済エージェント→通知エージェントのようなワークフローを構築したい場合。 Agent Cardを公開してエージェント間の発見と通信を実現します。

「本格的なエージェントシステムを作りたい」→ 両方

プロダクション環境では、MCPでツール層を構築し、A2Aで他のエージェントと連携するのが理想的です。 まずはMCPで基盤を作り、A2Aで外部連携を追加するのが自然な進め方です。

まとめ

A2AとMCPは競合するプロトコルではなく、AIエージェントエコシステムの異なるレイヤーを担当する補完的な存在です。 MCPがエージェントの「手足」(ツール接続)なら、A2Aはエージェントの「口」(他のエージェントとの対話)です。

両プロトコルとも活発に開発が進んでおり、今後さらなる相互運用性の向上が期待されます。 まずはAgent Cardを作成して、A2Aエコシステムへの第一歩を踏み出しましょう。

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