A2A vs MCP
AIエージェントプロトコル徹底比較
AIエージェントの世界では、複数のプロトコルが登場し、エコシステムが急速に形成されつつあります。 その中でも特に注目されているのが、Googleが提唱するA2A(Agent-to-Agent)と、 Anthropicが提唱するMCP(Model Context Protocol)の2つです。
両者は一見すると競合しているように見えますが、実は異なる課題を解決するために設計されたプロトコルです。 本記事では8つの観点から詳しく比較し、それぞれの役割と使い分けを明確にします。
A2A(Agent-to-Agent)プロトコルとは
A2Aは2025年にGoogleが発表したオープンプロトコルで、AIエージェント同士が互いの能力を発見し、 タスクを委譲・連携するための標準規格です。
中核となるのがAgent Cardという仕組みです。 各エージェントが自身の名前、能力、接続先、スキルをJSON形式で宣言し、/.well-known/agent-card.jsonに公開します。これにより、他のエージェントが自動的に発見・連携できます。
A2Aの通信はタスクライフサイクル(送信→処理中→完了)に基づいており、 JSONRPC、gRPC、HTTP+JSONの3つの通信方式をサポートしています。
MCP(Model Context Protocol)とは
MCPは2024年にAnthropicが発表したプロトコルで、LLM(大規模言語モデル)と外部ツール・データソースの接続を標準化します。
MCPでは「サーバー」がツールやデータを提供し、「クライアント」(LLMアプリケーション)がそれらを利用します。 ファイルシステムの読み書き、データベースクエリ、API呼び出しなど、LLMが外部世界とやりとりするための 統一的なインターフェースを提供します。
通信方式はstdio(ローカルプロセス間)とHTTP+SSE(リモート)の2種類をサポートし、 比較的シンプルなリクエスト/レスポンスモデルで動作します。
8つの観点で徹底比較
| 項目 | A2A | MCP |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | |
| 目的 | エージェント間の対話・連携 | モデルとツール/データの接続 |
| 通信方式 | JSONRPC / gRPC / HTTP+JSON | stdio / HTTP+SSE |
| 発見メカニズム | Agent Card (.well-known) | MCP Server Registry |
| タスク管理 | Task lifecycle(送信→処理中→完了) | リクエスト/レスポンス |
| ストリーミング | SSE / WebSocket | SSE |
| 認証 | OAuth2, APIキー等 | ホスト側で管理 |
| ユースケース | マルチエージェント連携 | LLMのツール拡張 |
| 関係性 | 競合ではなく補完関係 | |
なぜ「補完関係」なのか
A2AとMCPは、AIエージェントアーキテクチャの異なるレイヤーを担当しています。
A2A = 外交
エージェント同士が「名刺交換」し、タスクを委譲する。 外向きのコミュニケーション層。
MCP = 内臓
エージェントが内部で使うツールやデータに接続する。 内向きの能力拡張層。
例えば、旅行予約エージェントを考えてみましょう。 このエージェントはMCPを使って航空会社APIやホテルデータベースに接続し、A2Aを使って他のエージェント(決済エージェント、通知エージェント等)と連携します。
共存のイメージ
1つのエージェントがA2AとMCPの両方を実装することは一般的です。 MCPでツールに接続し、A2Aで他のエージェントと協調する — これが次世代エージェントの標準的なアーキテクチャになりつつあります。
どちらを先に学ぶべきか
ユースケースによって判断しましょう。
「LLMに外部ツールを使わせたい」→ MCPを先に
ファイル操作、DB接続、API呼び出しなど、単一エージェントの能力を拡張したい場合。 Claude DesktopやCursorで既にMCPサーバーが多数利用可能です。
「複数のエージェントを連携させたい」→ A2Aを先に
予約エージェント→決済エージェント→通知エージェントのようなワークフローを構築したい場合。 Agent Cardを公開してエージェント間の発見と通信を実現します。
「本格的なエージェントシステムを作りたい」→ 両方
プロダクション環境では、MCPでツール層を構築し、A2Aで他のエージェントと連携するのが理想的です。 まずはMCPで基盤を作り、A2Aで外部連携を追加するのが自然な進め方です。
まとめ
A2AとMCPは競合するプロトコルではなく、AIエージェントエコシステムの異なるレイヤーを担当する補完的な存在です。 MCPがエージェントの「手足」(ツール接続)なら、A2Aはエージェントの「口」(他のエージェントとの対話)です。
両プロトコルとも活発に開発が進んでおり、今後さらなる相互運用性の向上が期待されます。 まずはAgent Cardを作成して、A2Aエコシステムへの第一歩を踏み出しましょう。
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